新しいコスプレの可能性を秘めたキャラクター風スーツ制作奮闘記
8月ももう下旬となった今日この頃。実は裏で着々と準備を進めているネット上でコスプレやオリジナル衣装のフルオーダーが出来るnarikiriというサービス。
そのプロモーションを兼ねて、実は試験的にちょっとしたプロトタイプを制作してみたので、今回はその制作過程などをブログにしてみました!こういうのがあったらいいなぁと思いながら作ったものになるので、こういうの作りたい!という人がいればぜひご一報ください!
また、narikiri自体のサービスに登録したいという依頼者さんや制作者さんも人も大歓迎です!
※登録に料金は発生しません
というわけで早速本題に!
モチーフにしたのは伝説の歌姫!
今や世界でも大活躍している音声合成システムのVOCALOID「初音ミク」。クリプトン・フューチャー・メディア株式会社から2007年に生まれたバーチャルシンガーです。スタッフが男性ということもあって、バリバリの女性物のコスプレをするのは恥ずかしい、代わりにモチーフにしたかっこいいスーツがあればいいのに、ということで妄想でスーツのイメージを描いてみました。
モチーフにしたのがこちら
「初音ミク」はクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の著作物です。
© Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
そしてイメージして描いたものがこちら
派手過ぎず、地味過ぎず、知っている人が見たら連想されるようなデザインをしてみました。アクセントカラーとして、髪留め部分の赤色を使用。裏地もバーチャルなイメージを出そうと思い、電子回路のようなデザインを描いてみました。
イメージと制作工程のすり合わせ
今回の制作にあたって全面協力してくれたのは株式会社NFL。もともとタキシードや燕尾服、フォーマルウェア等の制作・販売を行っている会社で、最近流行りのクラウドファンディングを利用して戦国武将をイメージした「武将スーツ」というデザインのスーツも販売されている会社です。
本格的な工房でワクワク♪
イメージしていたデザインを伝えた際、生地の縫製の都合上で不可能な箇所も多々ありましたが、最終的には希望に近いデザインに落ち着き、制作に移っていただきました!
実際の制作工程!
実際に制作されている所を見学させてもらいに行きました!工程ごとに分かれた作業台、様々な大きさや形に合わせた型紙、豊富な生地や素材がギュッと詰め込まれており、どんな風に出来上がるかが楽しみです♪それでは早速ですが、各工程の説明をしていきます!
1.大きさに合わせた生地の裁断
普段見る機会のない、各パーツに型取った生地の裁断。表地と裏地をそれぞれの部分に合わせて寸分狂わずに裁断しています。大量生産だと、一定のサイズで同じ形で作ればいいので時間が短縮されますが、フルオーダーメイドはそういう訳にはいかず、職人さんの手で採寸され、一つ一つ丁寧に裁断してくれていました。
表地を採寸された線に沿って裁断してくれている様子。
こちらではオーダープリントをしてデザインした裏地の裁断様子。
2.各生地の部分加工
裁断が終わったら次は各パーツの加工に。1つのパーツでも何枚もの生地を重ね合わせて出来上がっていきます。一番外側の生地には、スーツとしての張りを出すために伸縮性のある布のようなシールを貼ります。更に、基本となるポケットやボタンを留める箇所にも滑り止めや摩耗防止のために生地を重ねて仕上げていきます。
アイロンの熱によって生地を重ね合わせていく様子。裁断や縫製の技術よりもアイロン技術の方がレベルが高いそうです。
腕周りのボタンを留める袖の裏側。印をつけ、生地を重ねて滑り止めを防ぐそうです。
3.部分加工した生地の縫合
加工した各部分の生地ができたら、いよいよ縫い合わせに入ります。各生地に仮縫いした目印を基に、縫製していきます。縫合する部分を1ミリ間隔で調整し、裏地と表地も縫い合わせて、徐々に形にしていきます。ここまで来るとスーツとしての形が素人目でも分かってくるので、工程を見ていて興奮しておりました!
裏地を重ね合わせる前の生地。実は様々な生地が重なり合ってるんですね。
徐々に縫製していき
襟のカラーも付け足され
縫い合わせの叩き上げが完成!これらの要領で残りの生地も縫い合わせていきます(※写真の真ん中の白い部分は袖を縫い合わせる部分)。
イメージが職人の手によってカタチに!!
各工程を細かく分けると500工程以上にもなるスーツ制作。生地の縫合を終え、ボタンを付け、シルエットを整えて完成したのがコチラ!!派手過ぎず、地味過ぎず、見る人が見たら初音ミクを連想するようなデザインに仕上げていただきました!
想像以上にカッコよく仕上げていただき、迫力のある一作品に!
襟にはアクセントカラーの赤でステッチを入れていただきました!
裏地はこの通り電子回路をイメージしたこのスーツにしかないデザインに!
袖の部分もオシャレに色分けしていただきました!
制作工程の見学後の感想
普段は既製品のスーツしか見る機会がなく、どのような作られ方をしているかなどは想像もしたことなかったですが、今回のこの見学で1つのスーツを作るだけでもかなりの人手と時間を要していることが分かりました!同じデザイン、同じ大きさ、同じ素材で大量に作るのであれば機械化している所もありますが、フルオーダーメイドになると全て人の手で各パーツを作っていくのでそうもいきません。機械では再現できない職人ならではの技術や感覚も大きく影響するフルオーダーメイド。値段や時間もかかりますが、自分がほしいと思った世界に1つしか無いアイテムが出来上がった時の感動はとても大きいです。こういう技術を活かしてコスプレや創作の概念や視点を広げていければなと思っております!!